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塩谷郡市医師会会長のブログです。

『幕末・明治・大正期の医療〜塩谷の地から「醫(い)」をさぐる〜』の本を発行しました。

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    『幕末・明治・大正期の医療 塩谷の地から「醫」をさぐる』の発行について
     塩谷郡市医師会では、塩谷地区の幕末から大正までの医療の歴史をまとめた本を発行しました。この本は山田前会長の時に予算化され、発行予定が少し遅れましたが漸く6月から皆さんのもとに届ける事ができるようになりました。写真にあるようにA5版で本文が500ページもある厚くて重い本です。
    本文は大きく4部に分かれています。第1部の最初の章では、世界と日本の医療の歴史に栃木県の医療の歴史を関連づけてあり、医療の歴史全体を親しみやすく概観できるようになっています。その後の章では、天然痘やコレラ、結核など、戦前の医療の大きな課題であった感染症の歴史を塩谷地区の例を出して記述、さらに江戸時代の医師、明治期の医療制度や医療事情、医師会の歴史、病院の歴史について、塩谷地区だけでなく県全体について触れています。
    2部は当時の人々がどんな医療を受けていたかを残された処方記録簿や死亡診断書などの史料をもとに詳述しています。死亡率の高かった子どもの病気や合法であった娼妓制度の医療についても分析し、今まで歴史では触れられることがなかった部分まで踏み込んでいます。優れた西洋医学の導入により時代遅れであった漢方医学が駆逐されたという現代的な歴史観を覆すような、コレラ患者に行われた当時の漢方治療なども興味深い所です。一般の人には少しマニアックですが、医療関係者は面白く読める部分です。
    3部は塩谷地区の喜連川藩の医療、明治期の近代的な病院であった喜連川病院、さらに矢板地区の代々医について取り上げました。特に喜連川神社の奉納額は幕末にコレラの流行が収まったことで臨時神輿が出されたことを描いたもので本の表紙にも用いた一見の価値のある文化財です。
    4部は塩谷地区の医師列伝で、軽い読み物となっています。
     医療の歴史は、人類の生活や文化の歴史の中で重要な部分を占めていますが、今まであまり顧みられることはありませんでした。ぜひ、この本を多くの方に読んでいただき、医療の歴史を知っていただきたいと思います。塩谷地区の図書館や県立図書館で借りる事ができます。手元に置いてぜひ読みたいと希望する方は塩谷郡市医師会にご連絡ください。在庫は少なくなっていますが、送料のみでお送りします。
     また、このホームページの素顔の医師たちやヤフーブログでも内容の一部を紹介していますのでぜひご覧ください。

     
                  
                             塩谷郡市医師会
                             会長 岡   一 雄
     

    コメント
    長田俊雄と申します。突然でありますが、「盈虚」なる言葉を発見して興奮しつつ、失礼いたします。
    先生のグループから、発刊された「幕末・明治・大正期の医療〜塩谷の地から医をさぐる」には、書かれなかったという身体計測が記載された診断書に「エイキョ(盈虚)」と言う言葉を見つけたとのことです。
    大正6、7、8、9年の母親(12~15歳)の「通知表」に「身体検査表」があり、そこに、「盈虚の差」なる言葉と数字が記録されています。その当時、なぜ、これを検査したか、知りたく、調べております。教えていただければ、有難く存じます。
    • 長田俊雄
    • 2018/01/13 11:08 AM
    しばらく、気が付きませんで失礼しました。
    遅ればせながら、お返事申し上げます。
    たぶん、当時は肺結核が多く、呼吸機能が低下し、大きく息を吸って、たくさん吐くということが出来ない人を発見するためではないかと推測いたします。
    結核は国民病でしたからね。
    当時は、レントゲン写真で診断するより、指で背中や胸をたたいたり、聴診器で聴いたりして、診断する方が多かったと思われます。
    戦後の「酔いどれ天使」(1948年)という映画に、胸のレントゲン写真は、大きな病院で撮るという場面が重要なテーマにもなっています。
    追加します。
    盈虚の差は、息を吸ったときの胸囲と息を吐いたときの胸囲の差です。
    盈虚とは言っていなかったと思いますが、私の小学校低学年の時に、深吸気と深呼気時の胸囲を測っていたことを覚えています。
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